5.07.2014

2014 Keith Jarrett大阪公演 & 東京公演

GWはKeith Jarrett大先生の大阪公演(5/3)に始まり、東京公演(5/6)で終わった。その合間に京都観光をした、というのが今年のGWの過ごし方だった。
渋谷はオーチャードホールからさいたまへの帰りの埼京線の中で、iPhoneをネチョネチョといじっていたところ、5/3大阪公演が"痛いニュース(ノ∀`)"になっていて驚いた。


トラブルとなった大阪(5/3)と、名演となった東京(5/6)の両方を体験して比較できる身として言うことがあるとすると――大先生クラスともなると、私ごときの証言でも資料的価値がある――大阪公演で気分を害して帰っちゃった、というのは本当であるが、大阪民の観客の民度、程度、モラルの低さが原因であるかというとそうでもないのでは、いや遠因のひとつとは言えるが…と…。



2014-05-03
どのようなコンサートなのか、という前提の話をすると、まず、スピーカーを使わないグランドピアノ1台の生音である。ホールはクラシック等を演奏するコンサートホールである。ライブハウスやダンスクラブ的なノリは皆無なホールである。
大阪フェスティバルホールも渋谷オーチャードホールも、ホールのすみずみまでピアニシモの音が響き、且つ、汚い残響がなく粒だって聞こえる大変に音響が良いホールである。逆に言うと3階席の咳もステージに聞こえるのだろう。
どのコンサートに行っても、咳、くしゃみ、物を落とす音(膝上のカバンから物が落ちる、立てかけておいた傘が倒れる等)、飴をビニール袋から取り出すクチャクチャ音、どういうわけかカバン整理をしだしてのゴソゴソ音は必ずある(不思議なことだが、演奏が始まるとカバンをいじりだす人間はいる)。アンプやスピーカーを使わないコンサートホールは大変静かなため、それらは目立つ。

2014-05-03
次に演奏内容。Keith Jarrettといえばジャズ・ピアニストと呼ばれることが一般的ではあるけれども、ソロピアノは"Keith Jarrett"という独自の音楽である。便宜的にジャズにカテゴライズされるが、音楽的にはジャンルには属さない。今回の日本公演はそのソロピアノである。
ソロピアノはその場で即興(improvisation)で音楽を作っていく。その時その時で即興であるから、同じ曲というのはない。激しい曲調になることもあれば極めて静謐な祈りのような曲調になることもある。原点のソロ・アルバムであるFacing YouのRitooria(リンク先に視聴あり)を聞けばわかるように、繊細なガラス細工のようである。
その即興演奏には精神集中と静寂が必要で、この大阪公演に限らず、これまでも観客に対して「音楽を作っているのです。どうか静かにしてほしい」と言うことは多々あった。演奏の中断も珍しいことではないが、私の知る限りでは演奏中断は、曲のごく序盤で曲想を練っている場面(最も集中と静寂が必要とされる?)での中断が多い。曲が進行してからの中断というのはあまり知らない。音楽を即興で作りながら演奏するということを想像しながら目を閉じて聞いていると、いかに雑音が邪魔かというのがわかる。
また中断されると集中が切れて曲想が消滅してしまうのか、演奏再開時には全然別の曲想になる、ということが多い。そのように観客に対して注文の多いピアニストではある。
2014-05-03
そういうわけで「ジャズなんてたかが酒場のBGMだろwwwガヤガヤしてて当たり前だwww」という罵声は的外れ。ワタミや酒場で演奏したわけではないし、フェスティバルホールのようなコンサートホールでは演奏中は静かにしておくのが当然である。そしてKeith Jarrettのソロピアノは、ジャズですらない。







という、長い前提の元に大阪公演(5/3)を振り返ってみる。
  • フェスティバルホールは、上品でモダンなホール。いわゆる格調高いホール。
  • 会場アナウンスでは「ライブレコーディングをするから、携帯電話を切ってね、録音・録画は絶対絶対やめてね」と言っていたが、コンサート開始前からイマイチその文脈とアナウンス効果に疑問があった。すべての公演で録音はするはずで、ライブレコーディングをしないなんてことはまずない。ライブレコーディングをするから騒音を出さないようにしてね!騒音の種類はこれこれだよ!これこれこうして音を出さないようにしてね!咳はしないでね!咳をするなら音を殺してね!と言うべきだと思っていた。Keith Jarrettは観客に静寂を特に要求することで知られているのだから、コピペテンプレートの「携帯を切ってね、録音録画撮影はやめてね」というだけではまるで不足、というかずいぶん無対策だなあ、でも関西を代表するホールなのだから、プロ中のプロ、ホール運営のエリート集団がやっていることなのだから大丈夫なのだろう、と思っていた。
  • 咳は多かった。しかし「ここはインフルエンザ会場か?」という多さではない。東京のクラシックコンサートでもあの程度の咳はある。高齢化で観客も咳が止まらない客層になってきているのだし、そういう社会情勢なので咳は出てしまいますが、どうぞお許し下さい、と、大先生に対して根回しはできているはずである、と思っていたが…。
  • 咳、くしゃみにも色々と種類がある。タオルやらハンカチで音を殺すようにされる咳と、むき出しでの咳は受ける印象が全然違う。前者は会場の雰囲気作りにそうマイナスにならないが、後者は雰囲気を壊す。
  • 大阪での咳の種類は残念ながら後者の「むき出しの咳」だった。咳は生理現象だから仕方がないが、出来る限り静かにしてより良い環境をつくろう、という雰囲気はなかった。このようなテキトーな雰囲気は東京のクラシックコンサートでもよくある。こういうテキトーな雰囲気は客席全体に伝播するもので「アレがあないにゴホゴホやってるんやから、ま、ワシもここでひとつ咳をしはりまっか、うまいこといきよったらCDにワシの咳が収録されまんねん」的な。
  • 推測の域を出ないが、もともとKeithの機嫌は悪かったのかもしれない。「飼っていたグッピーが死んだ」とか「出掛けに奥さんとケンカした」とか。ナーバスになっていたところに咳が多く、なおさら機嫌が斜めになっていき、集中を欠くと演奏の質も下がり、そうするとさらに機嫌が…という展開?これはあくまでも私の推測。
  • 咳の多さから2度3度中断はあった。中断はよくあることだが、複数回中断は多いような気がするな、と思った…。
  • 「静かにしてほしい、集中させてほしい」的なこと観客に言う場面もあった。英語なのでよくわからないが、all you have to do isとかfocusという単語を使っていた。マイクなしの声が3階席まで聞こえちゃう、というのがコンサートホールである。Keithの声が、大声だったわけでもない。
  • 絶対やめてね!というのに写真を撮影する人間がいて、それをKeith本人が見つけて中断した、という話もあるが、本当かどうかは知らない。
  • コンサートも後半に入った頃、中断の多さに客席の英語話者(それが英語のうまい大阪民なのか、英語圏の外国人なのか、英語のうまいイラン人なのかは知らない。その英語話者は酔っていた説あり)が、Keith Jarrettに話しかける。英語だったのと、席が離れていたので内容はわからなかったが、雰囲気から解釈するとおそらく激励やジョークではなくてイヤミ。その英語話者と何かやりとりをして機嫌は完全に斜め。
  • ステージから退場して大中断。10分とか15分とか引っ込んでしまった。
  • 大中断の少し前だっただろうか、原因が咳だったか、声かけだったか覚えていないが"Oh, man!!"とやや感情的に言って演奏を中断する場面もあった。これはもはや通常の範囲ではない、不穏な感じ。
  • 痛いニュース(ノ∀`)にある「かけ声」とはこの英語話者のことだろうか。かけ声というより「声かけ事案」である。「いよっ!大統領!」とか「成田屋っ!」というかけ声はなかった。口笛、指笛はあったが、それは問題では無いだろう。
  • その後再開。曲調は即興というよりアンコールで演奏するようなスタンダード・ナンバー風(?)が数曲。集中が切れてしまったから、ゼロから即興で曲想を練るより、型のあるスタンダード・ナンバー風でこのコンサートを立て直そうという苦肉の策だっただろうか?
  • 大中断後の数曲は客席もかなり静かになった。観客もやればできるじゃん、静かに咳もできるじゃん、生理的に絶対に防げない咳じゃなかったんじゃん、と思った。
  • しかし、だんだんと咳に配慮がなくなっていき、即興曲の静謐で瞑想的で、とてもいい場面で、配慮なしの咳が響き渡ってKeith Jarrett大先生も直ちに演奏をやめて気落ちした感じで"Thank you"といい、タオルを天井に向かって放り投げ、キャッチに失敗。タオルを拾って、そのまま退場。
  • あーあ、と思ったらすぐに会場に照明が戻ってコンサート終了のアナウンス。退場してからアナウンスまでの早いこと早いこと。アンコールはもちろん、カーテンコールもなし。あんな後味の悪い形で終わらせてよいのか、と思いつつフェスティバルホールを出た。
  • 時計を見ると終演予定の21時を過ぎていたから、ひどいコンディションながらKeith Jarrett大先生としては最低限の義務は果たしたのかなあ、と。
  • フライング拍手あり。フライング拍手は地域に限らず必ずといっていいほど起こる。一般的には余韻も音楽のうちなので、曲の終わりの静寂を味わうのがよいとされるが、一番槍がエライ的価値観の人たちが「いの一番」を競って拍手をする。
  • 終了後、一部の観客が怒って主催者だかホール運営者だかに詰め寄って返金だか慰謝料だか謝罪だか賠償だか誠意だかタクシー代だかリッツ・カールトン代を求めて深夜2時まで粘ったという話があるが、それが大阪民なのかどうかは知らない。青森から楽しみにして、このために大阪に来て、どうしてもどうしても抗議せずにはいられなかったのかもしれないし、ガラの悪い大阪民が小銭欲しさで「いてまうどワレ!」とやっていたのかもしれない。
  • フェスティバルホールは不手際があったとして、半券を持っている人で「ご希望の方には」次回公演(が実現できれば)優先案内するよ、と言っている。ホール中央やや後方の、音響のよい席を回してもらえるのだろうか?それとも刷り上がったチラシがほんの少し早くもらえるだけだろうか?「ご希望の方には」の意味もよくわからず。「ぼくちゃんご希望の方です、優先案内してください!半券はこれです!」と、フェスティバルホールの告知をフォローアップして、申し込まなければならないのだろうか?





2014 Keith Jarrett Tokyo
次いで東京公演(5/6)
  • これまた音響のよいオーチャードホール。
  • ホールはもちろん、主催者も大阪とは違う。主催は読売新聞社とあるが、このあたりの主催、ホール、招聘など、コンサート開催の仕組みはよくわからない。
  • 前述コピペテンプレに加えて「咳・クシャミをするならハンカチを当てるなど配慮してね、傘は倒れてうるさいから床に寝かせておいてね」とアナウンスがあった。「静かにしてくれなかったら演奏中断もしちゃうよ?中止もありうるよ?」という張り紙もあった。ライブレコーディング云々もあるが、録音しない公演などないはず。いちいち言う理由が分からないが、多分、咳をするなよ、静かにしてろよ、ということの婉曲表現、あるいは、ステージに録音マイクがおったっていて美観を損ねていることへの説明だろう。
  • 会場の雰囲気はかなり良い。静かである。咳は多いが、必死に音を殺している咳が多い。
  • 静かにせねば、と音を殺して雰囲気に配慮した咳がすると、その雰囲気が伝播して会場全体が静かにせねば、となる。この雰囲気は大阪とは明らかに違った。ほんのちょっとしたことで数千人のホールの雰囲気全体が変わるものである。全員が痛いニュース(ノ∀`)やら朝日新聞デジタルを読んでいるわけではない。というか、読んでいるのは一握りだろう。
  • カバンが倒れたり、モノが落下する音は何度もあった。しかし、それらが目立つということは、会場が静かである証拠。
  • Keith Jarrett大先生もノリノリ。大阪公演では苦しんでいるように見えたが、東京では水を得た魚のよう。曲想もキレがあり、名演の予感。CDになったら買う。
  • 静かな曲調のごく序盤で落下音。演奏中断、というのが1度あったが、Keith Jarrettのコンサートでは普通の事で、そのくらいでは大先生も機嫌は斜めらない。その時はむしろジョークで会場を和ませていた。
  • 曲と曲の合間に観客の英語話者とKeithが話す場面があった。Jazzでは客が話しかけるというのが一般的なのだろうか。話の内容は不明だが、感情的にはニュートラルな感じ、あるいはポジティブだった。
  • アンコール中に3階席後方でiPhoneのシャッター音がしていた。あれだけ撮影はやめろ、電源は切れ、というのにiPhoneで写真を撮る人はいる。
  • 携帯電話の電源は切れというのは、音もそうだが、舞台から客席を見ると、ディスプレーの光が邪魔なのだと思う。それと、音楽に集中してくれよ、と。ほんのちょっとしたことが伝染病みたいに伝播して会場の雰囲気は変わるから。
  • やはりフライング拍手あり。Keith自身が、拍手はもう少し遅くにね、というジェスチャーをしていたが効果なし。フライング拍手マンはどこにでもいる。






結論
  1. 大阪公演の会場雰囲気と東京のそれは体感できる違いがあった。
  2. 「大阪の民度の低さ」が会場の雰囲気の原因とは思わない。あのくらいの咳は東京でもよくある。ホールでのアナウンスの失敗である。特にデリケートな演者であること、特にデリケートな演目であることがわかっていたのだから、静寂を必要とする旨を事前にアナウンスすべきであった。咳はハンカチ云々とアナウンスしさえすれば、失敗はなかった気がする(ホール側の矜持として無粋なアナウンスはしたくないのかもしれない)
  3. 大阪公演の失敗はアナウンス不足、咳、写真撮影、英語話者の声かけ(と、もともとの大先生の機嫌も?)等の悪条件が重なった。
  4. 大阪公演は誰にとっても苦い不幸なコンサートであった。
  5. 深夜2時までゴネていた、というのは…ちょっと…ね?終演から5時間…だからね…。民度…ですかね…?
  6. 反対に東京公演は素晴らしい音楽体験となり、これまでの人生で五指に入るだろうコンサートだった。
  7. Keith Jarrett大先生は高齢である。この先、ナマ大先生の機会はそう多くない。ソロピアノは即興であり、会場の雰囲気によって当たり外れがある。時間とカネが許すなら複数日行くべき。
  8. Keithソロピアノで1枚あげるとすればStaircase(リンク先に視聴あり)がオヌヌメ。ただよう詩情、ひろがる叙情。曲のタイトルだけでも美しい。難解さもなく、長くもなく。



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14 件のコメント:

  1. 会長、お帰りなさいませ。元大阪民としては、このたびの事態についてなんとお詫びしてよいものやら・・・。

    私はクラシックやジャズのライブにはあまり行ったことがないのですが、ライブ会場に行くと、盛り上がることと自己アピールを履き違えたような(もっと言えば自分がその場の主役やとでも思ってるんちゃうか、アホちゃうか)というようなノイズを撒き散らす輩はおりますね。で、そういうアホな輩につられて「俺も俺も」と悪ノリするアホが少なくないのが悲しいところで。テキトーな雰囲気は客席全体に伝播する、というのもよくわかります。良い音楽を聴くために、フロア側が果たす役割は小さくない、ということが分からん人間というのは困ったものです。

    東京は名演だったようで、良かったですね!

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    1. 聴衆の力は大きいです。演奏家も聴衆のレベルで演奏が変わると言いますからね。
      著名バイオリニストが日本の地方のカフェのオーナーだかの知り合いで「ウチで弾いてよ」と言われて「しゃあねえな、ちょろっと弾くか」となったことがあって、カフェの客くらいじゃ味噌も糞も違いが分からんだろ、と手抜きをして弾いてたら、実はガチンコの聴衆が集まってて「あれ客の顔が険しいぞ、こりゃまずいぞ」とマジになって弾いたら客もバイオリニストもボルテージが上がりまくって生涯最高の演奏になった的エピソードがありました。

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  2. コンサートで誰か一人が咳をすると「あ、オレもしたかったのよね」とゴホゴホしちゃう現象がありますよね。大阪府民の民度云々は知りませんが、キースジャレットほどのアーティストなのだから会場側、観衆もそれなりの緊張感をもって来て欲しかったというのはありますよね。ボクはアーティストではありませんが、まわりの雑音が気になって集中力が切れるというのはわかります。主催者サイドがそのへんの気配りをして欲しかったですねぇ。

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    1. 「時間割いて見に来てやってるんだぞ、俺は客だぞ、楽しませろよ、お前プロだろ?」という傲慢な客が多いと、ダメですね。カネを払ってるんだから王様という考え方はいけません。
      東京公演のほうはすごく良かったので、終わりよければすべてよしです。ただ、大阪だけ行った人で、楽しみにしていた人は気の毒ですね…。

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  3. 初めまして、ロンです。
    記事を拝見させて頂きました。
    当方はここ15年位、東京公演はほとんど見に行っており、CDもほとんど所持しております。

    私には東京公演が良いと思えませんでした。いきあたりばったり、展開もない、単純なモチーフ。。ケルンやサンベアと比較するのは、年齢を考えると酷ですが、2年前の東京公演2日目と比較すると雲泥の差だと思います。

    私はスタンディングオベーションが出来ませんでした。

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    1. うわー、15年も行ってるんですか!羨ましい…。私などは今回が初めてのソロピアノだったのでもうそれだけで感激してしまいました…。
      最近のキースは昔のように長大なものでなくてRIOみたいに短くまとめていますね。何かの心境の変化でしょうか…。

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  4. はじめまして

    大阪公演は残念でしたね。東京も観れたなんてうらやましいです。
    実は大阪公演に僕も行ったのですが、あまりの静けさに緊張して身動ぎひとつできずにじっと身を縮めて聴いていたので、終わった?(中断した)後はしばらく腰痛と肩こりに悩まされました。(*_*)
    僕はあの静けさの中でビニール袋カサコソしたり、咳払いするのはどうかと思いますけど、やはり多人数になるとどうしてもそういうのって出てきますよね。
    やっぱりキースのソロはCDなどで聴くのがいいのかな?なんて思ったりした公演でした。

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    1. 自室でリラックスしてCDを聴くのが一番!よく出来た演奏だけを収録してるんだし!っていうとそれで終わってしまいますので(笑)
      一回こっきりの即興演奏を体験するっていうのがなんかいいんですよね。

      大阪はコンサートとしての後味は悪かったですけど、演奏自体はおお!というところも多々あってそれはそれで良かったと思います。半券を取っておくと次回フェスティバルホール開催で優先案内してくれるって言ってますね!

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  5. こんにちは。今年の大阪と東京の比較と言うことで、大変興味深く読ませていただきました。私は、今年は6日と9日の東京に九州から見に行きました。大阪は行っていません。
     私は、2002年の大阪(レディアンス)を最初に、2005年東京(キースがキレた公演)など、それ以降のソロは必ず1度は見に行ってます。その経験からすると、今年の大阪のキースの様子はちょっと驚きです。2002年大阪での咳はひどいものでした。その事はレディアンスのライナーでもキース自身が述べています。しかし、彼がキレることはありませんでした。2005年の東京は確か、咳に加え、荷物がバターンと倒れて、そこでキレたキース先生のご指導(お説教)がありましたが、それでも途中中断などはありませんでした。ですので今回咳がひどかったことよりも、大阪の観衆がその配慮をしなかったこと、観衆がキースのソロコンサートとはどういうものか理解していなかったことが大きかったのかと推察します。
     その点、インターネットで大阪の事件の報道があったせいか、6日の東京は観客が音を立てないようにかなり意識していたと思います。今まで参加した中で、一番物音が気にならなかったです。キースも観客を信頼できたのか、トータル的に素晴らしいものになったと感じました。前の書き込みに2012年の東京2日目の事を述べていらっしゃる方がいますが、確かにあの日も素晴らしかったですね。しかし私個人はそれとも劣らないと感じましたが。
     9日の紀尾井ホールはさすがに高額チケットのたまものか、観客のマナーは6日よりもよかったです。(アナウンスにキースが席を立つまで、拍手は控えてくれとのアナウンスがあったのも大きかった)2ちゃんの書き込みだと、6日の演奏の方が良かったとの書き込みが多く、私も反対は無いですが、2部以降の展開は素晴らしいものがあったと思います。ただ、2部の最後、弾こうとしばらく集中したが、諦めたのかThank you と述べて、舞台をおりています。これは音楽が「降りてこなかった」とも見えましたし、その前のラストの曲があまりにも素晴らしかったので、いったん終わることを選択したともみえました。アンコール1曲目は、なかなか素晴らしいものでしたが、あれを2部ラストとするには厳しいものでした。紀尾井のアンコールも美メロ系で、なかなか良かったですが、最後の最後は珍しく、ハッピーなバップ系のものでした。あれを聞く限り、本人も楽しんでいたのではと推察します。どちらかCDになってくれると(出来れば両方)いいんですけどね。

     最後に、色んなところで言われていますが、キースが拍手のタイミングについて、Too Early と言っていたことが、フライング拍手に対する言及と取られていますが、それは違うと思います。ジェスチャーでもわかりましたが、あれはキースが礼をしているときの聴衆の拍手が、キースが椅子に座る仕草をしたとたん、すぐに無くなるので、それに対してToo early と言っていました。もっと、長く拍手していいよという意味だと思います。(ちなみに私は6日は5列目のセンターで、紀尾井でもキースは同じ事を言っていたので間違いないと思います。)実際、フライングの拍手が出だしたのはその後でしたものね。また、私のとなりに座っていた外国人はその後、長めの拍手になってました。

     長くなりましたが、私の2日間の感想です。私は彼のソロが好きなので、また早く来てくれるといいですね。その時はまた大阪も来てくれると思います。やっぱりこの緊張感こそ、彼のソロコンサートの醍醐味。これを糧に次回を待ちましょう。

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    1. 九州からいらっしゃったんですか!って、最近では新幹線より飛行機が手軽になりましたよね。
      too earlyはそういう意味だったんでしょうかね。なるほどなるほど。それだとアメリカンな陽気さって感じがしてしっくり来ます。そういわれれば「『拍手タイミングが早すぎる』と注文をつけた」と解するのは、「キースは神経質な人だから…」という先入観に基づいた解釈ですね。演奏時のシリアスな場面以外はフレンドリーで陽気なアメリカ人と思いたいですし(笑)
      2005年のお説教はなんかたまに話題になりますね。経験したかったような、したくなかったような(笑)
      TOKYO SOLOってDVDでも騒音だか間違い拍手で演奏をやめて曲を変えるシーンが2回くらいありますね。


      大阪の大中断は英語話者の煽りが主なというか直接的な原因だと思います。何を言っているのか分かりませんでしたが、会話をしてカチーンと来てるのがわかりました。


      私は昨年からキースのコンサートに行き始めた新参ですが、来年以降はできるだけ行くことにします。

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    2. お返事どうもありがとうございます。キースがステージで喋る時って、騒音・咳に対する注文以外、たいてい小さなギャグを言って客をリラックスさせようとします。ジェスチャーでも彼は帰るフリしたりとか、椅子を無意味にいじったりとか、よくやります。基本はやっぱりオッサンなんだと思います。

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    3. ああ、確かに日本式にいうところの小ボケをやってますね。さっぱり意味がわからないボケも含めて(笑)

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    4. Keith Jarrett Solo 2016 決定しましたね。来年詳細発表とのことですが、その時まで、楽しみにしておきましょう。

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    5. 情報ありがとうございます。鯉沼ミュージックに書いてありました。

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